私の子供時代のイノベーション経験

それまでアニメ・漫画好きだった私が、小学校の図工の工作の時に、先生にモチーフが大事といわれ、それが凄く高尚なものを作ならければならないと感じた。好きだったアニメと漫画を封印し、部屋にあった図鑑の本を眺めていたら、柔道をしている写真が目に止まり、

子供心にそれを作る事にした。彫刻刀で彫っていたのだが、明らかに表情が細かく、顔を彫れないと気付いたので、顔の表情はシルエットにし、髪型もシンプルにした。ミスで彫っているうちに、一部が彫り過ぎてしまい、仕方なく全体をそれに合わせて作品を発表した。

出来上がった他の作品を見ると、自分の様な作品を作っているのは少数で、ミスして彫り過ぎた部分が、他作品より立体的に見え、優秀な作品として選ばれた。ただのミスと単に構図の上手い身近にある写真を、選んだだけであったが、今思うとこれが私の子供時代の、イノベーション的な経験ではないかと考えている。